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Sunday, October 13, 2013

これも何かの縁、それも深い縁

先日ここに書いた大学での講義再開、なんとか順調に始まり、その後もスムーズに進んでいます。

前職での講義の際は、私の経験不足のせいで初めてのことの連続で、さらに学生の知識レベルなどが全然わからず、3年目くらいまで、なかなか余裕をもてなかったものです。でも、いまははっきりそういう状態を脱したといってよいようです。何が違うって?一番に思い浮かぶのは、日本語で教えられるから、という理由ですが、おそらくそれが本当の理由ではないような。

たぶん理由は、「自分が教えたい内容を、自分でやりたくて教えているから」だろう、というのが私の結論。

さて、きょうは息子とスポーツ観戦。世界に誇れる地元のチームが、リーグ優勝!

もう一方の地元のチームは、残念ながら終戦

というニュースは置いといて、その足で立ち寄ったスタジアム近くのペットショップにて、「ミステリークレイフィッシュ」というザリガニを発見。なんと、単為生殖(Pathernogenesis)するらしい!

帰って調べてみると、その模様からMarmorkrebs(大理石ザリガニ)と呼ばれ、 1990年代からマニアの間で流通していたものが、研究者によって調べられ、2003年にNature誌に掲載されたようす。調べたのはドイツの研究者。そういえば「Pathernogenesis」、前職で冬学期に教えていたEvolutionsbiologieの講義のトピックのひとつでした。これも何かの縁と思い、3匹購入。


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Tuesday, September 17, 2013

一年半の休止期間を経て、再始動

ドイツを出てから、一年半。その間、別に休業していたわけではありません。しかし、ドイツにいたころには常に頭の大きな部分を占めていたこと、一年半休んでいましたが、やっと再開するのです。何のことかといいますと、来週、近隣の大学で、学部3回生向けの講義を行うのです。それが、12月の下旬まで基本的に毎週続きます。講義のタイトルは「分子進化・ゲノム情報学」といいます。

日本の大学生相手にレギュラーな講義を行うのは初めてです。ドイツ時代の5年間にわたる講義スライドを見返しながら、このスライドを(言語は日本語に大方スイッチするとして)そのまま来週から講義に使えるかな、などとひとつずつ吟味などしています。最初の2,3週間分のスライドの準備はだいぶ済んでいますが、ドイツバージョンから使えるスライドはどんどん取り入れてみようかという気分になっています。

学生の反応もそうですが、自分に何らかの新しい感覚が芽生えるのではないか、と思うと率直に楽しみです。

Friday, January 20, 2012

最後の一ヶ月

表題のように、ドイツでの時間は残り少なくなりました。

学部の講義などが出発の10日前まであり、そのあとの試験も作成して終業ということになりました。試験自体は他のスタッフと学生チュータ-任せるのですが。

試験については、問題を作成し、試験監督をし、そして採点の監修をする(採点自体は学生チューターが行う)ということをこれまで数年にわたって行なってきました。 ひととおり見ていると、興味深いことがいくつもあります。

学生が試験中に飲食しだしたり (試験は2時間と長い)

解答欄をつくっても、欄外に解答する学生があとをたたない (そういう文化がない、ということ。解答欄は基本的に撤廃しました、採点しにくいのですが)

とか、いろいろ。

ドイツ全土でこう、といういうわけではなく、大学独自の風習というか風潮も影響しているでしょう。いずれにせよ、大いにあるのです、日本との違いが。

日本では、残念ながら私は大学に勤務するわけではありません。「あなたは大学向きですよ」なんてよく言われるし、私自身そういうキャリアも志向していろいろ試みたのですが、そういうふうにはいきませんでした。しかし、最終的に得た職も、もちろん私が理想としてイメージしていたスタイルのうちのひとつ。非常に楽しみにしています。

プライベートでは、引越の準備で非常にいろいろ忙しく大変ですが、なんとか乗り切りたいと思います。

もちろん、楽しみも忘れずに。今夜は、冬休みが明けてはじめてのブンデスリーガ、地上波で放送ありです!

Monday, January 9, 2012

日本を選びました

書き込みのペースが落ちてしまいました。大学の講義・実習などに関して、これまでの5年間でもっとも忙しい1ヶ月のはじまりだから、といってよいと思います。

今日は、ヒトデの解剖実習でした。学生チューター6人のサポートが多分にありましたが、冒頭の講義と実習パートであわせて6時間。さすがに慣れましたが、最初のほうの年はいつも大きな気疲れがありました。実習が終わり、処理されていない余ったヒトデを家に持ち帰り、息子に見せると、「Kühl(クール)!」と良い反応が返ってきました。

ここではこれまで全く書いていませんでしたが、2月でドイツ生活を終え、日本に移り住むことになりました。通常は、こういう場面では「日本に帰ります」と表現するのでしょう。しかし、「日本に移り住みます」あるいは「日本を選びました」と書いておきます。

日本、いろいろ楽しみにしているのです。住むのは5年ぶりです。いろいろ変わったといいます。よく知っているからこそ、それを感じたいのです。

この話題、後日また書こうと思います。



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Tuesday, October 25, 2011

冬学期の憂鬱

明日は、この冬学期に入ってはじめて講義を行う日です。科目は2回生向けの「進化生物学(Evolutionsbiologie)」です。

生物学の学科の授業ですが、心理学など、他の学科の学生も単位目当てで聴きにくることがあるので困り者なのです。というのも、彼らは分子生物学の知識がほとんどないからです。

講義は英語で行います。というか、ドイツ語のものは私はもともと担当していません。 それがいまの職に就くときの条件でしたから。

それにしても、キリスト教の影響の強いこんなところで育った学生に、「神の創造などではなく、進化こそが事実です」なんてことを教えるのは、いつもぎこちないものです。そういえば、私自身は、「進化」を信じない考えにちょっと触れたのが15歳のとき、そして、それをはっきり認識したのは、19歳のときでした。そのときのイベントと自分の抱いた感情はいまもはっきり覚えています。

とはいっても、おそらくアメリカで言われているような状況はこちらにはなく、サイエンスの一部として進化を認めることは、ここでは当たり前のようです。

5年目に入り、この辺の仕事もさすがに慣れました。しかし、明日はすごく困ったことがひとつ。

市のバス会社が、またストライキを決行するのだとか。ストは10月に入って3日目となります。

一部のバスは走るらしいですが、さすがに授業に遅れるわけに行かないので、確実な方法で通勤しないといけません。


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Sunday, September 25, 2011

教育から自分が「得る」ということ

先週木曜、金曜と、こちらの大学院プログラムのコースで講義・実習を行いました。 すでにいわゆる博士課程に入り、自分のPh.D.のプロジェクト、そして指導教官も持っている学生のためのコースでした。

大学院プログラムの名前は 'Chemical Biology' となっていますが、学際的なフォーカスというより、いまだうまく打ち解けないChemistryとBiologyが共存した構造になっています。そのため、化学専攻の学生がついてこれる、そして新たなものを得て帰れる内容にする必要がありました。

私は、分子生物学全般における進化的思考の重要さを 'homology' そして、'tree-thinking' という2つのキーワードで伝えるとともに、ゲノムアノテーションの実際と分子系統樹の実践的解釈法を講義しました。そして、遺伝子推定と軸としたゲノムアノテーションの実習を提供しました。

自分の担当分が、2日で計5時間。 他の2人の担当分も一部聴講し、準備も含めると、結構な時間をかけたことになります。

学部生の講義などの場合、よい講義をできれば、より多くの学生が自分の講義に興味を持ってくれて、結果的に、自分の研究チームに貢献してくれるかもしれない、という明確なモチベーションを持ってのぞむことが多いのです。対して、今回の博士学生対象の場合は、その面ではほとんど期待できませんでした。

しかし、今回の講義・実習では、講義内容の準備のための下調べ、学生の反応、そして何より、実習パートで学生が導き出したいくつかの新たな情報を総合して、自分が多くのものを得た気分に浸ることができました。こちらでの教育活動をはじめてからさすがに時間がたった分、全体の状況を把握しやすいし、いろいろな機会を前向きにとらえ、自分のものにしていくことができるようになってきたのだと思います。

これで、冬学期開始前の一大イベントが済んで、3週間後に冬学期がスタートです。そちらの講義からもいろいろ得られるように、いろいろアイデアを練っています。


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Monday, July 18, 2011

ファーストネームで呼べますか?

数年前、ゲノムシーケンシングセンターで行われた会議のためにBostonを訪れました。立ち寄ったStarbucksにて、ドリンクを注文した際に、「名前は?」と聞かれ、とまどった記憶が。

名前を告げておくと、注文したドリンクを手渡してくれるときにその名前を呼んでくれるわけです。店員からすればたった数十秒で不要になる情報、日本なら番号札を渡すようなシステムになるでしょうか。実際には、日本のStarbucksではどうしているでしょうか?

そんな場面で、当然、現地人らしき人たちは、ファーストネームを名乗っていました。実は欧米のファーストネームはえてして多様性を欠いています。米国では比較的多様な印象がありますが、同じ店にDavidが二人ほぼ同時にいることだって珍しくないはず、なんて考えてしまいます。


さて、話はドイツへ。ファーストネーム事情について、私の観察の貴重なサンプリング対象は、

1)講義・実習などの学生(日本でいう2回生-学部のシステムについては過去ブログ参照)
2)5歳の息子の通う地元の幼稚園の子供

です。同じ世代でまとまった数を見れるので傾向をつかみやすいのです。とくに1)の集団については、解剖実習などで相手にする1学年全体、つまりおよそ100人の学生の解剖スケッチをチェックする際にファーストネームを音読し、成績をつける際にすべての姓を確認するという作業を毎年しているので、名前に異常に詳しくなります。

近年、外来のファーストネームが増えてきていますが、ある程度多様性は限られています。その中でも、伝統的な比較的長い名前(Alexander, Friedrich, ....)は減って、短い名前、しかも、ごく最近では(今の幼稚園世代)、とくに「L」で始まる名前(Lukas, Luna, Linus, Lion, ....)が増えているようです。そして、ドイツ語の教科書に出てくるようなLudwig, Helmut, Ursulaなどという名前は、もはや現在のTeenager以下には見当たりません。

同僚の教授の先生方とは、自己紹介をしたあとは、例外なくファーストネームで呼び合うことになります。そして学生ともファーストネームで、ということになります。しかし、相手と場合によるということを気に留めておく必要はあるでしょう(こちらも参考に)。

あと、欧米のファーストネーム文化に慣れていないと難しいのは、男女の区別です。短縮された場合には、男女両方ありうる、という名前もあります。たとえば、

Pat => Patricia (女性) あるいは Patrick (男性)
Alex (or Aleks) => Alexandra (or Aleksandra) (女性) あるいは Alexander (男性)

とくにオープンな南ドイツにいると、ファーストネーム文化にどっぷりということになるのですが、逆に違和感があるのが、スポーツ選手の名前は律儀にファミリーネームで呼ばれるということです。ちなみに、昨日までのW杯で殊勲を挙げた澤選手は、ドイツ語の読み方では、「ザヴァ」という感じで呼ばれてしまっています。一夜明けた日本代表の様子、ドイツのニュースからどうぞ。

Monday, June 20, 2011

カリキュラムについての驚き

こちらでのPh.D.取得のおもなスタイルについては以前のブログで紹介しました。今日は日本でいう学部・修士レベルのシステムの話を書きます。

まずこちらに来て最初に戸惑ったのは、在籍年次の数え方でした。こちらでは、セメスター(semester)で数え、' I am in the fifth semester ' などと言うことがほとんどです。しかし、こうなると、一年に何セメスターあるのか知らないと何年目かわかりません。

答えは簡単で、4月~7月のsummer semesterと10月~2月のwinter semesterの1年2学期制です。最初の数ヶ月なんて、自分の契約や住まい選びのことで頭がいっぱいで、このような簡単なことがわかっていなかったように記憶しています。

ドイツでは、大学ごとの入学試験のようなものはなく、高校卒業時に行われる州ごとの一斉試験によって、大学入学資格(Abitur)が判定されます。ドイツの大学教員は、「入試」に悩まされることはありません。

不思議なことに、入学したての学生でも、「教養」の授業など受ける必要はありません。例えば生物学専攻の学生なら、1年目に化学、統計学など関連する授業を受けることになりますが、いわゆる文系の授業は受けなくてよいようです。少なくとも、私はとくに自身の(日本の大学で)一年目に歴史学や言語学の授業を受けてよかったと思っていますので、これでいいのか、と思ったりもします。あと、語学としての英語の授業はありません。しかし、フォーマルなライティングの指導を早い時期に受けていると、研究論文を書いてもらうときに楽なはずです。ドイツ人学生の英「会話」能力が、一般に高いのは確かなのですが、書かせると実は話は違います。

サイエンスを志向する学生にとって肝心の卒業研究の期間はというと、

Bachelor(学部卒研相当)-3ヶ月間
Master(修士相当、旧制度での'Diplom')-9ヶ月間

と 短めです。とくに修士の学生は、6週間の実習を3,4つのグループで受けてから、卒業のための修士プロジェクト開始、となります。

そういえば、今年に入って、日本でも似たスタイルを導入する動きがあることを知りました。

“徒弟制度”や修士論文の廃止求める 大学院博士課程で中教審答申(産経ニュース)

私自身、これまでにBachelorを3人、修士相当を4人指導しましたが、上のような短い期間の指導で卒業させるのは楽ではありませんし、効率的ともいえません。ポスドクがいて、PIが任期なしの教授ならうまく利用していけるのかもしれませんが、そうでなければ、どうしてもアウトプットが小粒になり、戦略もないままこれを続けてしまうと将来につながりにくい気がします。しかし、これが現実ですので、どうか適応し、逆に良い面を生かすスタイルを創っていくことが重要なのでしょう。