Friday, July 22, 2011

学会情報

今年10月にDublinで行われる学会の情報です
4th International Symposium on Animal Functional Genomics (ISAFG2011)


さらにヨーロッパ版分子生物学会
EMBO Meeting 2011
昨年のこのEMBOの会議には、私も出席しました。バイオロジーのトピックも充実していましたが、Career Development関連のワークショップや、ERCなどのグラント関係、さらにEU内の年金互換システムのガイダンスなど、研究キャリアを豊かにするイベントが盛りだくさんでした。

Thursday, July 21, 2011

日本再発見の旅

来週はじめに日本へ発ちます。私自身はほぼ半年ぶりです。家族は2009年秋以来になります。

先日、5歳の息子が日本語で言いました。「あっちの部屋にセミが飛んでるよ」と。
「えっ!!」と思ってみてみると、飛んでいるのはハエでした。
ドイツでセミを見たことはありません。

しばしの日本滞在、1歳半のときからドイツで暮らし、その後の一時帰国をあわせても2ヶ月ほどしか日本で過ごしていない息子にとっては、人間関係、文化だけでなく、言語の面でも いろんな刺激になることでしょう。滞在のあとで、「どんなとこが違った?」ってきいてみたいと思います。

こちら、本日の最高気温は15℃でした。「最高」気温ですよ。
日本の夏は4年ぶりです。私の滞在は10日ほどですが、生き抜きたいと思います。

Monday, July 18, 2011

ファーストネームで呼べますか?

数年前、ゲノムシーケンシングセンターで行われた会議のためにBostonを訪れました。立ち寄ったStarbucksにて、ドリンクを注文した際に、「名前は?」と聞かれ、とまどった記憶が。

名前を告げておくと、注文したドリンクを手渡してくれるときにその名前を呼んでくれるわけです。店員からすればたった数十秒で不要になる情報、日本なら番号札を渡すようなシステムになるでしょうか。実際には、日本のStarbucksではどうしているでしょうか?

そんな場面で、当然、現地人らしき人たちは、ファーストネームを名乗っていました。実は欧米のファーストネームはえてして多様性を欠いています。米国では比較的多様な印象がありますが、同じ店にDavidが二人ほぼ同時にいることだって珍しくないはず、なんて考えてしまいます。


さて、話はドイツへ。ファーストネーム事情について、私の観察の貴重なサンプリング対象は、

1)講義・実習などの学生(日本でいう2回生-学部のシステムについては過去ブログ参照)
2)5歳の息子の通う地元の幼稚園の子供

です。同じ世代でまとまった数を見れるので傾向をつかみやすいのです。とくに1)の集団については、解剖実習などで相手にする1学年全体、つまりおよそ100人の学生の解剖スケッチをチェックする際にファーストネームを音読し、成績をつける際にすべての姓を確認するという作業を毎年しているので、名前に異常に詳しくなります。

近年、外来のファーストネームが増えてきていますが、ある程度多様性は限られています。その中でも、伝統的な比較的長い名前(Alexander, Friedrich, ....)は減って、短い名前、しかも、ごく最近では(今の幼稚園世代)、とくに「L」で始まる名前(Lukas, Luna, Linus, Lion, ....)が増えているようです。そして、ドイツ語の教科書に出てくるようなLudwig, Helmut, Ursulaなどという名前は、もはや現在のTeenager以下には見当たりません。

同僚の教授の先生方とは、自己紹介をしたあとは、例外なくファーストネームで呼び合うことになります。そして学生ともファーストネームで、ということになります。しかし、相手と場合によるということを気に留めておく必要はあるでしょう(こちらも参考に)。

あと、欧米のファーストネーム文化に慣れていないと難しいのは、男女の区別です。短縮された場合には、男女両方ありうる、という名前もあります。たとえば、

Pat => Patricia (女性) あるいは Patrick (男性)
Alex (or Aleks) => Alexandra (or Aleksandra) (女性) あるいは Alexander (男性)

とくにオープンな南ドイツにいると、ファーストネーム文化にどっぷりということになるのですが、逆に違和感があるのが、スポーツ選手の名前は律儀にファミリーネームで呼ばれるということです。ちなみに、昨日までのW杯で殊勲を挙げた澤選手は、ドイツ語の読み方では、「ザヴァ」という感じで呼ばれてしまっています。一夜明けた日本代表の様子、ドイツのニュースからどうぞ。

2011年、日本を変える年

こちらでは20:45、まだ外は明るい時間のキックオフでした。たくましい女性たちの戦いは、世界のどこにいてもなかなか心の晴れない私たち日本人に、勇気と大きな希望を与えてくれました。

私自身、10歳のときに地元のいわゆるスポーツ少年団でサッカーをはじめ、それから今まで、多かれ少なかれ生活の一部がサッカーとつながっていました。女子サッカーとはいえ、フル代表で世界の舞台で優勝を飾る日が来ることをイメージすることは、つい数日前までできませんでした。非常に感慨深いものがあります。

日本では、きょうは祝日なのですね。こちらは通常の月曜日ですから、これから寝て、そして出勤です。

ちなみに、ドイツの祝日は結構少ないのです。それでも、たいていの人は有給休暇をみっちりとって、年間の日数でいうと日本人よりだいぶ多く休むことになるのでしょう。

あと、祝日が州によって違うとか、暦に従いイースターなどの祝日のタイミングが年によって大きくずれるという点で、日本のとは違います。

Saturday, July 16, 2011

因果というもの

おととい、昨日と、ちょっと国境を越えてスイスのチューリヒへ行ってきました。詳しく書きませんが、過去、現在、そして未来が交錯する刺激の多い一日でした。

遠く離れたドイツ国内の街へ行くより、隣国の都市チューリヒへ足を運ぶほうがはるかに簡便なのです。ただ、物価が非常に高いことに注意しながらの小旅行となります。ミネラルウォーターはペットボトル一本で 4 CHF (スイスフラン)などの値段になります。

人、場所、そして研究対象、いろいろなめぐりあわせがあります。そしてそれがときに、サイエンスの範囲を越えて、極めてプライベートなところに踏み込んできて、自分の歩んでいく方向を照らしてくれたりと・・・。

チューリヒの街のはずれにある丘からの眺め 中央から右に広がっているのがチューリヒ湖

思い通りにならないこともありますが、それは何をやっていても同じ。それでも、しっかり自分で創っていくということ。まだまだこれから長いのだから。いまドイツでも、このさき日本へ行っても、いろんな可能性を追求し、前へ!

Thursday, July 14, 2011

本当に「ゲノム時代」到来か?

女子サッカー、決勝進出ですね。同じ土俵で胸を張って闘えていることが感じられます。サイエンスでも、同じことが繰り広げられなければいけません。

このブログ、文化の違いなどについての内容が増えています。少し研究の中身に関連したトピックを書きます。

最近のいわゆる次世代(massively parallel)シーケンス技術の発展は、ゲノム(そしてエピゲノム)解析を本当の意味で豊かにしているのか?タイトルはそういう意味です。もちろんその通りなのでしょうが、いろいろ難しい要素もあります。

私自身が関わっているゲノムシーケンスプロジェクト、そして伝え聞いた情報などから、次世代シーケンス技術以前、そして移行期に進められたプロジェクトでもまだまだ解析途中、投稿準備中などのものがいくつかあることを把握しています。

そもそも技術的に難しいゲノムであるとか、生物学的にゲノム解析の切り口が見つけられないとか、単に従事している研究者が忙しいとか、理由はいろいろですが、いわゆる非モデル生物のゲノムシーケンス解析は、結局人の手、あるいは人の目が律速となっていて、いまだ技術革新の恩恵を最大限に享受できていない印象があります。単に配列解析結果を記述するための論文を出版することは可能だとしても、もはやそれではいい雑誌には載らないでしょうし、やる以上はバイオロジーに切り込む(表現型を少しでも説明する)ような解析結果が求められるのが現実です。

GOLD Genome Databaseというページには、あらゆるゲノムプロジェクトがリストされています。米国のNHGRIのページには、さらにパブリックなゲノムプロジェクトを見つけることが出来ます。しかし、どちらのリストも、「計画されているが始まっていない」ものを含んでいます。実際に、ごく最近学術雑誌に出版されたゲノムプロジェクトはいくつあったでしょうか?思いつくもの、多くないと思います。手こずっているものは意外に多いのです。

出版された論文や査読にまわってくる論文、Introductionを読むと、基本的な情報としてそういった凍結されたゲノムプロジェクトを丁寧に紹介しているのを、しばしば見つけることができます。進んでいないプロジェクトだとしたら紛らわしいですね。

中国のBGIも加わり、Genome 10K プロジェクト というのも進められています。果たしてどのくらいのゲノムを、どの精度でアノテーションし、どういう形で生物学者がその結果に触れることが出来るようになるのか、興味深いところです。

技術は進んでも、出てきたデータを見極めて新たな発見をするという「センス」、この重要さは変わらないはずです。それをどう鍛えますか?

Wednesday, July 13, 2011

EMBO Long-Term Fellowships

ポスドクフェローシップの情報です 締め切りは来月15日

他にも、主にPIの人のためのEUワイドなグラント、FP7というグラントプログラムの様々なカテゴリーの公募が出ています

EUワイドなもの、国レベル、州レベル、 そして財団系と、情報集めは大変ですが、欧州では応募できる機会の多さの面では非常に恵まれていると思います。中でもドイツはとくに。

しかし、ある段階以上の「ポスト(職)」が多くない、という意味では他の国と似た状況です。

Tuesday, July 12, 2011

研究者のストレス-論文執筆

Nature誌に研究者が論文執筆にどう向き合うべきかについて、興味深い記事が載っています。

“I should write when I feel ready, and I don't feel ready yet” と思って、書くべきときが来るのを待っていてはいけない。もう今すぐ書き始め、書きながら欠けているものを探すべきだ、と。

これでうまくいくものばかりではないかもしれませんが、概ね同意します。以前ここで扱った記事(2005年の記事の Rule 7)にも似た文句がありました。

意外と時間がないときのほうがいい仕事ができたりもします。初稿から最終稿くらいのつもりで気合を入れて、でも時間をかけすぎずに書けるのが理想です。時間がないときは、本当にそうやってどうにかするしかないのですから。

このNatureの記事には “the 'snacks' have to be regular — 45 minutes once a week doesn't work, but 45 minutes a day 5 days a week does wonders.” とあります。 そういうことなんです。でも、これを実行するのはなかなか難しいんです。

Monday, July 11, 2011

サッカーに見たドイツの女性

一日たって、落ち着いてこの話題に触れたいと思います。正直、こちらの生活における文化の壁などで溜まった鬱憤晴らしにムキになって見てしまいました。

(もちろん毎日鬱憤ばっかり溜めているわけでは決してないのですが、地に足つけてそこそこの期間暮らしているとやはりいろいろあります)

特に日本選手と比べた場合、身長、体格が違うことが 最初の衝撃だと思います。そして、プレーの中身(ヘディング、サイドチェンジのための強いパス)は男子に追いつきそうなレベル。

ドイツの女性、街でも力強いシーンを頻繁に見ます。子連れの自転車ママの常套手段は、牽引(けんいん)車です。これはヨーロッパの他の国でも見たことがありません。

昨日の試合は、まさに日本チームのメンタルの勝利だったと思います。ドイツのチーム、メンタル的に脆かった。しかし、けっしておとなしいわけではないです、ご覧になったとおり。

やはり、この国では文句を言わないと進まないこと(=文句を言えば言うほどよく進むこと)が多々あります(もちろん他の国でもそうでしょうけど)。女性といえども、黙っていては損をします。その文化を生き抜くメンタリティはドイツ人には備わっています。昨日の試合にそのアナロジーを見ることが出来ました。審判、敵チームへの態度、そして、点を入れられたときのリアクションなど。ただ、そのメンタリティは勝利に必要な種類のものではありませんでした。

試合後、ドイツのある選手が公式談話として口にしました(Sueddeutsche.deより)。

" ...... Wir hatten alle Pipi in den Augen " 「(かなしすぎて)おしXこがぜんぶ目からでちゃうくらい」

・・・ なでしこは絶対に言いませんね。

Thursday, July 7, 2011

国境と暮らす

昨日、3国にまたがるボーデン湖について触れました。私は、このボーデン湖のほとりにある人口8万人ほどの街に住んでいます。歩いて10分でスイスに入ることができます。

スイスは、通貨はユーロではなく、スイスフランです。そして、EU加盟国ではありません。国境には税関(Zoll)がありますが、シェンゲン協定という取り決めのおかげで、車での行き来の場合以外はパスポートの提示を求められることはありません。

我が家では、ドイツに加え、スイス、オーストリアのテレビチャンネルを見ることができます。週末などには、国境を越えてちょっと夕食に、なんてこともあります。

面白いことに、大学には、中国、イタリアや東欧をはじめ各国の学生がそこそこ見受けられるのに対し、スイス人の学生はほとんどいないと思います。いっぽう、街に出ると、多くのスイス人が買い物に来ているのを見つけることが出来ます。車のナンバー、そしてスーパーのレジでの免税手続き、また彼らの話す特徴的なスイスドイツ語から、比較的容易に見分けることが出来ます。

国境を越えて通勤している人も少なくありません。非常に身近な(そして緊張のない)国境、ヨーロッパならではです。

夏のボーデン湖 1週間ほど前にRadolfzellという街で撮影

冬のボーデン湖 上の写真とほぼ同じところで昨年12月に撮影 左側は凍っています