Saturday, August 6, 2011

ドイツへ「戻る」

ドイツでの生活をはじめる直前、もう4年半も前のことですが、日本である研究の会合に出席しました。海外から戻って間もない別のスピーカーが、「日本語で研究内容を話すのは久しぶりなので、うまくできるかわかりませんが、どうかご容赦ください」とトークの前置きで断っていたのをよく覚えています。まさにそのとき、日本をこれから離れる自分もそうなるのか、いや、そんなはずは・・・、などと考えていました。

7月下旬から10日間の日本滞在を終え、HelsinkiそしてZurichを経由して、さきほど自宅に戻りました。日本では、慣れ親しんだ街並みを懐かしみ、いっぽう馴染みのない日本語(たとえば、「食べログ」・「イクメン」)に戸惑いました。節電のための弱冷房は私にはちょうどよく、ドイツに比べ気温が高いとはいうものの、乾燥したドイツの空気のせいでたびたびのどを痛めていた私には、日本の気候は意外にも過ごしやすいものでした。

短いあいだに5つの街をめぐるスケジュールになってしまいました。言葉、気候、そして街並みに戸惑いながらも、結局のところ、久しぶりにお会いする先生方、そして先輩、知人、親戚など、懐かしい面々と歓談することで、自分の歩みを確認できたように思います。ほんとうはさらに何人かの方とお会いできるつもりでいたのですが、あいにくお話しそびれた方々にはお詫び申し上げます。実は、学会でのポスター発表の際には、自分の発表の時間を誤解していて、お相手できなかった方がいらっしゃったのでは、と思っています。申し訳ありませんでした。

冒頭の日本語の話題に戻って、自分はいまどうなのか?しっかり話せるのか?無理な気がしています。仮にできたとしても、しばらく遠ざかっているという負い目を感じながら話すとしたら、気分的にはなかなかつらいだろうともいえます。

日本からの長旅の最後、自宅に戻る列車の中で、「もう少しだ、早く家に戻りたい」なんて自然に思っていました。家はどこにあってもやはり落ち着くもんです。

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