Sunday, October 13, 2013

ドイツ・サイエンスデー in Kyoto

こういうイベント、私は初めて見ました。なかなか興味深い。

10月25・26日  ドイツ・サイエンスデー in Kyoto



これも何かの縁、それも深い縁

先日ここに書いた大学での講義再開、なんとか順調に始まり、その後もスムーズに進んでいます。

前職での講義の際は、私の経験不足のせいで初めてのことの連続で、さらに学生の知識レベルなどが全然わからず、3年目くらいまで、なかなか余裕をもてなかったものです。でも、いまははっきりそういう状態を脱したといってよいようです。何が違うって?一番に思い浮かぶのは、日本語で教えられるから、という理由ですが、おそらくそれが本当の理由ではないような。

たぶん理由は、「自分が教えたい内容を、自分でやりたくて教えているから」だろう、というのが私の結論。

さて、きょうは息子とスポーツ観戦。世界に誇れる地元のチームが、リーグ優勝!

もう一方の地元のチームは、残念ながら終戦

というニュースは置いといて、その足で立ち寄ったスタジアム近くのペットショップにて、「ミステリークレイフィッシュ」というザリガニを発見。なんと、単為生殖(Pathernogenesis)するらしい!

帰って調べてみると、その模様からMarmorkrebs(大理石ザリガニ)と呼ばれ、 1990年代からマニアの間で流通していたものが、研究者によって調べられ、2003年にNature誌に掲載されたようす。調べたのはドイツの研究者。そういえば「Pathernogenesis」、前職で冬学期に教えていたEvolutionsbiologieの講義のトピックのひとつでした。これも何かの縁と思い、3匹購入。


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Tuesday, September 17, 2013

一年半の休止期間を経て、再始動

ドイツを出てから、一年半。その間、別に休業していたわけではありません。しかし、ドイツにいたころには常に頭の大きな部分を占めていたこと、一年半休んでいましたが、やっと再開するのです。何のことかといいますと、来週、近隣の大学で、学部3回生向けの講義を行うのです。それが、12月の下旬まで基本的に毎週続きます。講義のタイトルは「分子進化・ゲノム情報学」といいます。

日本の大学生相手にレギュラーな講義を行うのは初めてです。ドイツ時代の5年間にわたる講義スライドを見返しながら、このスライドを(言語は日本語に大方スイッチするとして)そのまま来週から講義に使えるかな、などとひとつずつ吟味などしています。最初の2,3週間分のスライドの準備はだいぶ済んでいますが、ドイツバージョンから使えるスライドはどんどん取り入れてみようかという気分になっています。

学生の反応もそうですが、自分に何らかの新しい感覚が芽生えるのではないか、と思うと率直に楽しみです。

Monday, August 12, 2013

中古車市場

そういえば、ドイツにいたときに、通りを歩いていて、そこらへんに駐車してある乗用車の窓に、「この車、売ります。XXXユーロで。」などと書いてあるのをよく見かけました。

日本では、そんなの、一度もみたことがありません。


しばらくこのBlog書くのをさぼっていました。きょう、なんとなく、まだまだもっともっといろんなことを伝える努力をしていかないといけないな、と思わされる出来事がありました。


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Tuesday, April 23, 2013

ウミヤツメゲノムコンソーシアム(1)

そういえば、まだ神戸にいた2005、6年ごろから、旧式のサンガーシーケンサによるウミヤツメゲノムの配列データが出始めたことを把握していたのだった。あの頃は、ハードコアな実験生物学者に囲まれて、独りでゲノム情報を扱っており、新たな配列データベースやゲノムリソースの情報を自分でどこから得ていたのか、もう覚えていない。

それから・・・・、2年ほど経ったころ、私はドイツの田舎の大学のオフィスで、そこそこつながったウミヤツメゲノム配列が手に入ることを知り、おもむろに解析を始めたと記憶している。渡独して間もない時期だったので、異国での生活だけでなく学部の講義などもまだおぼつかない頃である。このとき扱っていたのは、Version 3と呼ばれたアセンブリである。おそらく私の研究キャリアの中で最も興奮しながら扱ったゲノムアセンブリであろう、これからどんな生き物のゲノムを扱うとしても。

当時は、その「アセンブリ」がどのようにして、そして誰によって構築されたかは全くしらなかった。ゲノムプロジェクトが通常どのように行われるかも知らなかったはずだ。それでも、作られたアセンブリは、数々の既存のツールで「遊ぶ」には格好の材料であった。GenScanも、RepeatMaskerも、BLASTも、自分でセットアップしたワークステーションの上で、何度も何度も走らせた。有給の学生研究補助の制度(HiWi)を使って、プログラミングに長けた学生に、AugustusをTraining(この「AL5」と呼んだTraining条件は現在、Augustusサーバー・プログラムにおいて利用できる)してもらい、より確かにコード領域を推定できるようにして、ゲノムワイドな遺伝子セットを用意した。

こんな感じで時間が少し経ったころ、このゲノムプロジェクトを推進する中心的立場を担っているという研究者に進捗などをメールで尋ねることにした。このプロジェクトには、珍しくWhite Paperなるものが存在しなかった。進捗を尋ねるのに、誰に連絡したらよいかも、最初は容易にわからなかったと記憶している。ここで、予想できたのは、すでに名だたる研究者たちがこのゲノムのアノテーションを行っていて、ほどなく解析結果が公表されてしまうという状況であった。そうなれば、私のチームの努力は無駄になるのであるが、なんだかそんなことはどうでもよかった。自分の手でゲノムを「解いて」、その結果に思いを巡らす経験をすることそのものが財産である、ということを強く感じながら進めていたのをいまでも覚えている。誰が解析しても見つけられないものを自分なら見つけられる、と思っていたわけでは決してない。

メールでやりとりを少ししたあと、その研究者と電話で話そうということになった。これから解析を始めるところだから、ぜひ解析や議論に参加してほしい、ということであった。もともと、ヤツメのゲノムを解析することが専門だと知れた研究者など、いるわけはなかった(たぶん)。今思えば、少しでも、ヤツメの面白さや、この生き物についてこれまでどのような研究が行われてきたかを把握している人に加わって欲しいと思っていたに違いない。さらに、彼本人が内分泌学者であるから、ゲノムインフォマティクスに少しでも近く、それでいて、他の生物ではなく、このヤツメのゲノム解析に注力してくれる人を巻き込むことで、自分への負担を軽くしたかった、という思惑もあったであろう。私はベストフィットな人間ではなかったが、少しでもそれに近いと思ってくれたようで、彼の所属先で行うコアミーティングに参加してほしい、ということになった。

(続く)


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Wednesday, March 27, 2013

ヤツメウナギのゲノム論文

このブログで触れたことのあるヤツメウナギ、そのとりあえずのゲノム解析の結果が Nature Genetics誌に掲載されました。このプロジェクトに関わりはじめた経緯などを思い返すと、いろいろ思い入れのあるプロジェクトではありましたが、結果としてはすっきりしない部分もあり、まだまだスタート地点にたっただけ、と強く思います。

論文に含めたマジメな結果以外にも、いろいろ書き残しておきたいエピソードがありますので、後日ここに綴ってみたいと思います。

Wednesday, March 20, 2013

身近な海の驚きにアクセス!

ふと、神戸市内の書店でみつけた新刊。いまも日本各地の水族館は続々パワーアップ中の様子。

ドイツに住んでいるとき、ヨーロッパの水族館をいくつか訪れましたが、コンパクトなものが多く、正直あまりインパクトを感じませんでした。たとえば、バルセロナの水族館なんてガイドブックには欧州最大級(あるいは「最大」?)などと書かれてありましたが、完全に見かけ倒し。


日本の水族館に慣れるとほんとに敷居が高くなってしまいます。この「水族館ぴあ」を読んで、まだ訪れていない日本の重要な(私の興味の面からいって)水族館がまだいろいろあるということを再認識。

Tuesday, January 29, 2013

ヤツメウナギゲノム

研究の話です。各所で見れるようになっているヤツメウナギ(正確には「ウミヤツメ」)のゲノム配列や遺伝子アノテーションのリソースについての情報が統合されていなくて、混乱を生みがちなようです。

整理するために、英語のブログポストに含めたリンク先のページに概要をまとめましたので、お困りの方はご覧ください。今後も新しい情報が出たときに、そのページに付け加えていくつもりですので、参考にしてください。