Tuesday, August 23, 2011

ドイツの医療にお世話になる(1)

昨日、本日と楽に30℃をこえる暑い日が続いています。例年のこの時期は、どうか夏らしさが戻ってほしいと思いながら、結局そのまま短い秋に突入することが多いような気がします。今年は特別のようです。

気候も水も、そして食生活も違うドイツ。こちらに住んでいる方のなかには、体に異変を感じた経験のある方も多いのではないでしょうか?私の場合は、日本でほとんど風邪を引かなかったのに、のどの痛みを中心に、高い頻度で風邪のような症状を体験します。もちろん自分の年齢もどんどん上がっていくので、年のせい、というのもあるかもしれませんが。

今日はこちらの医療制度に関する基礎知識を少し書いてみます。

通院するにあたって、健康保険に加入する必要があるのは当然です。ドイツでは、大きく分けて、公的健康保険(gesetzliche Krankenversicherung) と 民間健康保険(private Krankenversicherung)があります。私は、これまで4年半のあいだに3つの雇用契約を結んで大学で働いてきましたが、1番目と3番目の契約(学術研究員 Wissenschaftlicher Mitarbeiter)のもとでは、前者の公的保険に、また2番目の契約(学術教員 Akademischer Rat)のもとでは後者の民間保険に加入する必要がありました。いろいろ、いろいろ、いろいろややこしい法律などがあり、詳しくは説明しませんが、とくに日本人には飲み込みにくいシステムです。日本は、早くからいわゆる皆保険制度(こちらを参照)を導入し、選ぶ必要がないからです。

上記の2種類の保険システム、大雑把に違いを書いておくと、前者の公的なものは比較的質素で、多くの場合給与から差し引かれるかたちで月額の会費(Beitrag)を払います。扶養家族の加入はタダです。医者にかかったときには、会員証を見せるだけで、保険の範囲内となっている通常の診療に関しては支払いは発生しません。ただ、たしか3か月に一度、診療手数料(Praxisgebühr=10ユーロほど?)を自腹で払う必要があります。

後者の民間保険は、給料から差し引かれるかたちではなく、自分で月当たりの会費を払います。家族についても既往歴などを参考に額が決まります。こちらは、たとえば入院したときに一人部屋を優先的に与えられるとか、メガネ・コンタクトは2年に一度新調できるとか、歯科での予約が取りやすいとか、いろいろイイことがあります。おもに歯科の場合、この民間保険の会員だけを相手にしている医者がいるので、公的保険の会員は、ウェブサイトや看板などをみて、診てもらえるか確認しておく必要があります。こちらの民間保険、実際に医者にかかったときには、毎回実費で全額を支払ったうえで、その後で請求書を雇用者と 保険会社に送ってはじめて、契約に決められた配分(大抵は50%/50%)にしたがって全額が取り戻せる面倒なしくみです。月当たりの会費は、当然、公的なものより高くなるのが普通です。

両方について言えるのは、月額の会費を払っていれば、基本的な診療をうける限り患者負担は発生しない、という点ですね(先日の予防接種なども同様)。こちらでは、住民登録(や滞在許可、つまりビザ取得)の際に健康保険に加入しているかどうかのチェックがありますので、非常に健康で医者いらずの人でも、どこかの健康保険に加入し、会費は払わなければいけません。

以上、私の経験にもとづいて書きましたが、両方の種類の保険とも、会社によって若干の違いはありますし、私の理解は完全でないかもしれません。あくまでも参考としていただいて、詳しい情報が必要な方は、職場のよく知ってそうな方、あるいは保険会社に直接お尋ねください。私の経験上、ドイツ人でも、ここらへんのシステム(とくに民間保険のほう)を知らない人はいくらでもいますので、正しいガイドを見つけることが重要です。私自身が、ここらへんの情報を最初にだれか噛み砕いて説明してくれてたら、いろんな苦労をせずにすんだのに・・・、と思いながら書いてみました。どなたかのお役に立ちますように。

タイトルからわかるとおり、医療関係の続編を予定しています。私の実際の通院に関するエピソードを書くつもりです。


ドイツの医療については、こちらのニュースダイジェストによるページもどうぞ


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