Thursday, July 7, 2011

国境と暮らす

昨日、3国にまたがるボーデン湖について触れました。私は、このボーデン湖のほとりにある人口8万人ほどの街に住んでいます。歩いて10分でスイスに入ることができます。

スイスは、通貨はユーロではなく、スイスフランです。そして、EU加盟国ではありません。国境には税関(Zoll)がありますが、シェンゲン協定という取り決めのおかげで、車での行き来の場合以外はパスポートの提示を求められることはありません。

我が家では、ドイツに加え、スイス、オーストリアのテレビチャンネルを見ることができます。週末などには、国境を越えてちょっと夕食に、なんてこともあります。

面白いことに、大学には、中国、イタリアや東欧をはじめ各国の学生がそこそこ見受けられるのに対し、スイス人の学生はほとんどいないと思います。いっぽう、街に出ると、多くのスイス人が買い物に来ているのを見つけることが出来ます。車のナンバー、そしてスーパーのレジでの免税手続き、また彼らの話す特徴的なスイスドイツ語から、比較的容易に見分けることが出来ます。

国境を越えて通勤している人も少なくありません。非常に身近な(そして緊張のない)国境、ヨーロッパならではです。

夏のボーデン湖 1週間ほど前にRadolfzellという街で撮影

冬のボーデン湖 上の写真とほぼ同じところで昨年12月に撮影 左側は凍っています

あの「リンダウ」

日本の学振(JSPS)のプログラム「リンダウ・ノーベル賞受賞者会議派遣事業」をご存知ですか?研究者の方の中には、聞いたことがあるという方が多いのではないでしょうか。

では、「リンダウ(Lindau)」をご存知ですか?

南ドイツにあるボーデン湖(Bodensee)にうかぶ小さな島です。このボーデン湖はスイス、オーストリアにも囲まれた風光明媚なスポットです。

この島で、多くのノーベル賞受賞者を集めて、毎年、'The Lindau Nobel Laureate Meeting' が行われるのです。

JSPSのプログラムは、この会議に、他国と同様、日本人の若手の研究者を送り込もう、というものです。 この会議のWebサイトに、参加者のリストも載せてありますね。あと、レクチャーの一部も見ることができます。

ここでは、会議の紹介ムービーと




学生と受賞者の会話をYouTubeから

Tuesday, July 5, 2011

ドイツ人に尋ねる-「どちらの出身ですか?」

私の経験では、ドイツ人に「どちらの出身ですか?」と尋ねると、往々にして知らない場所の名前が返ってきます。日本で同じ質問を尋ねたときには、もう少し高い頻度で、有名な街の名前が返ってくると思うのです。

なぜか?

私が知っている街の数が限られている、ということは否定できません。

しかし、私の印象では、それ以上に、

1.ドイツでは、人口の分布がまばらである
2.ドイツ人は、自分の故郷に誇りを持っており、近くにある大都市の名前で代用しない

という理由が背後にあるような気がします。エネルギー政策だけでなく、興味深い違いがいくつもあります。