Thursday, September 1, 2011

ゲノムペーパー考

最近になって動物の全ゲノム配列解読の論文発表が相次いでいます。種名と掲載雑誌名を列挙します。

ワラビー(カンガルー)・ tammar wallaby (Macropus eugenii) - Genome Biology
タスマニアデビル・Tasmanian devil (Sarcophilus harrisii) - Proc Natl Acad Sci
タイセイヨウダラ・Atlantic cod (Gadus morhua) - Nature
コユビミドリイシ・stony coral (Acropora digitifera) - Nature
グリーンアノール・Anole lizard (Anolis carolinensis) - Nature ←これは今日オンライン公開

これ以外にも、当然いま出かかっているのもあるでしょうし、手こずっていて解析が進んでいないものもあるはずです。残念ながら、私の関わっているものは、時間がかかり過ぎの感があります。


先日の記事で、DNA解読技術が進歩しても、それ以外のステップにおいていろいろ難しい要素があることを書きました。上記のどのプロジェクトも、出版まで漕ぎ着けるのは楽ではなかっただろうと推測します。単純に、プロジェクトが動き出してから、どのくらいの時間がかかったのか、また論文を投稿してから、いわゆるレビューの過程でどの程度手こずったのか、という側面をみれば、どのプロジェクトが手際よく行われたのか測ることができるでしょう。しかし、この辺の情報は関係者しか詳しくわからないはずです。

誰にでもわかる側面としては、プロジェクトチームの規模と構成員の物理的な分布です。上の5つ、さらにこれまでに出版されたいわゆるゲノムペーパーを比べれば、上にあるコユビミドリイシのゲノム解析が、とくに数少ないメンバーで完遂されたことがわかります。そして、ほぼ全員がひとつのラボ所属ということで、シーケンス技術の革新に効率的に適応した結果だと私は見ています。 この論文の要点は解析を行った研究チームの所属先のHPでも紹介されています。私は全く関係していないのですが、勝手に日本人として誇らしく思わせていただいております。

いっぽうで、世界にある大規模なゲノムシーケンシングセンターで経験を積んできた解析チーム、とくにリーダー格の研究者の才覚に圧倒されたこともあります。研ぎ澄まされたセンスとリーダーシップ、センターによってはなかなか外に露出されることはないのですが、それに触れられることが大規模な(もはや「旧式の」と呼ぶべきか)ゲノムプロジェクトに参加する醍醐味だと思います。

あと、ある生物種のゲノムペーパーが出版されたときに、その種がジャーナルの表紙を飾ったのか、という要素も注目してみると面白いです。上の各ゲノムペーパーはどうだったかというと、・・・・。


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Tuesday, August 30, 2011

かぎられた太陽の恵みもここまでか

 先週金曜まで、最高気温30℃を越える日々が続いていましたが、土曜日には一転、最高気温16℃となり、どんよりな天気。

突然20℃近く気温が変わるとか、予想できないのがこちらの気候の特徴。しかし、昨日、今日と持ち直し、気温は昼でも20℃前半どまりですが、晴天が続いています。

街にはまだまだ観光客がたくさん。しかし残念ながら、秋はもうすぐそこまで来ているようです。

碧いボーデン湖 そろそろ秋の気配


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