Saturday, June 29, 2019

第5回ジンベエザメ国際会議

5月下旬に世界遺産であるオーストラリア・ニンガルーコーストにあるエクスマスという街でジンベエザメ国際会議に参加してきました。

香港経由でパース空港に深夜に到着
そのまま空港のSleeping podで快適に就寝
行きのパース~エクスマスの機内、右手にずっと見えていたのは赤茶けた台地

エクスマス Exmouthという街では、ジンベエザメは非常に身近な存在
 

学会参加者全員に配られるグッズ 
ペットボトルが要らないようにマイボトル(会議ロゴ付き)、
そして、写っていないけど、金属製のストローも

自然保護に関係する地元企業や政府機関、そして関係ない企業も分厚く協賛 
おかげで整った清潔感のある会場

なんだか頭が「エラスモ」だから道に落ちてるこんなものも、
アレに見えてくる!でも実は植物

会議中の半日は地元のエコツーリズム体験
  
船上からザトウクジラ、そしてハンドウイルカが3つ巴で見えたり

海水面にだらんとしたウミヘビ

シュノーケリングでスティングレイも見ることができたけど、
やはり主役は

ジンベエザメ!
我々のボートの近くに計5匹が来ていたらしい

けど、慣れないシュノーケリング、ついていくのがやっとで
雌雄の違いや模様による個体の識別なんてしている余裕はないけど
なんとかムービーで撮影
接近は3メートルまでと決められている

 日本からの他の参加者はみな知り合いで、海外からも一緒に仕事したことのある仲間が
初めて参加したこの会で、昨年秋に発表したゲノム解析について紹介 
ある意味、馴染みのないコミュニティを相手にするのは慣れています

 会議後はメルボルンへ移動し、共同研究者とのタイトなミーティング x2
その前に地元の水族館へ ドイツ時代で世話になったSea Life系列

おきまりのサメ卵付きのタッチプール
これはポートジャクソンネコザメ

これはゲノム研究者にはおなじみ、ゾウギンザメ

これは実物を始めて目にしました
draughtboard shark (Cephaloscyllium laticeps)のもの

最も大きな水槽の目玉は、やはり板鰓類
 シロワニ、トラフ、ツマグロ、ヤジ、コモリ、オオテンジクなど定番に加え、
ガンジスメジロザメ Glyphis glyphis

 そして、さっきの植物じゃなくて、ほんもの
Largetooth sawfish ノコギリエイの一種

オスメス両方いたが、メスのほうが全長もノコギリ長も大きいとか
その場にいた従業員が快く教えてくれた

メルボルンからの用務を無事終えて、最後大雨の中なんとか空港に到着
ロングフライトを控えてずぶぬれで空港へ、ってのは初めての経験でした

日本に戻り、学会参加グッズのメタルストローを試用。そういえば学会中立ち寄ったB級イタリアンレストランも紙ストローでした。もうプラ廃止の流れは当然で、日本が遅いだけと改めて痛感。今回の会議にて、美ら海チーム(私の共同研究者でもあります)は、水族館での診断に基づく知見と、そのスキルを活用したガラパゴスでの野外調査(プレスリリース水族館ブログ記事)について発表。私見では、これらの発表に刺激を受けて、これまで水族館でのジンベエ飼育に肯定的でなかった海外の関係者が、水族館での飼育を通した研究の重要性を認識する機会となったようである。あと、私自身はとくに世界の野外ジンベエ集団の現時点での知識を始めて整理することができ、同時にDNA解析全般の現状も確認できました。今後の関わり方を検討していきます。

さいごに、系統樹マンダラ【サメ編】の制作に取り組んでいます。実現のためのクラウドファンディングにご支援いただけると非常に有難いです。 50種ほどのイラストがポスターに入るのですが、ジンベエザメが入るか、というと・・・。そこのところはぜひお楽しみに!