Monday, July 18, 2011

ファーストネームで呼べますか?

数年前、ゲノムシーケンシングセンターで行われた会議のためにBostonを訪れました。立ち寄ったStarbucksにて、ドリンクを注文した際に、「名前は?」と聞かれ、とまどった記憶が。

名前を告げておくと、注文したドリンクを手渡してくれるときにその名前を呼んでくれるわけです。店員からすればたった数十秒で不要になる情報、日本なら番号札を渡すようなシステムになるでしょうか。実際には、日本のStarbucksではどうしているでしょうか?

そんな場面で、当然、現地人らしき人たちは、ファーストネームを名乗っていました。実は欧米のファーストネームはえてして多様性を欠いています。米国では比較的多様な印象がありますが、同じ店にDavidが二人ほぼ同時にいることだって珍しくないはず、なんて考えてしまいます。


さて、話はドイツへ。ファーストネーム事情について、私の観察の貴重なサンプリング対象は、

1)講義・実習などの学生(日本でいう2回生-学部のシステムについては過去ブログ参照)
2)5歳の息子の通う地元の幼稚園の子供

です。同じ世代でまとまった数を見れるので傾向をつかみやすいのです。とくに1)の集団については、解剖実習などで相手にする1学年全体、つまりおよそ100人の学生の解剖スケッチをチェックする際にファーストネームを音読し、成績をつける際にすべての姓を確認するという作業を毎年しているので、名前に異常に詳しくなります。

近年、外来のファーストネームが増えてきていますが、ある程度多様性は限られています。その中でも、伝統的な比較的長い名前(Alexander, Friedrich, ....)は減って、短い名前、しかも、ごく最近では(今の幼稚園世代)、とくに「L」で始まる名前(Lukas, Luna, Linus, Lion, ....)が増えているようです。そして、ドイツ語の教科書に出てくるようなLudwig, Helmut, Ursulaなどという名前は、もはや現在のTeenager以下には見当たりません。

同僚の教授の先生方とは、自己紹介をしたあとは、例外なくファーストネームで呼び合うことになります。そして学生ともファーストネームで、ということになります。しかし、相手と場合によるということを気に留めておく必要はあるでしょう(こちらも参考に)。

あと、欧米のファーストネーム文化に慣れていないと難しいのは、男女の区別です。短縮された場合には、男女両方ありうる、という名前もあります。たとえば、

Pat => Patricia (女性) あるいは Patrick (男性)
Alex (or Aleks) => Alexandra (or Aleksandra) (女性) あるいは Alexander (男性)

とくにオープンな南ドイツにいると、ファーストネーム文化にどっぷりということになるのですが、逆に違和感があるのが、スポーツ選手の名前は律儀にファミリーネームで呼ばれるということです。ちなみに、昨日までのW杯で殊勲を挙げた澤選手は、ドイツ語の読み方では、「ザヴァ」という感じで呼ばれてしまっています。一夜明けた日本代表の様子、ドイツのニュースからどうぞ。

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