Sunday, September 25, 2011

教育から自分が「得る」ということ

先週木曜、金曜と、こちらの大学院プログラムのコースで講義・実習を行いました。 すでにいわゆる博士課程に入り、自分のPh.D.のプロジェクト、そして指導教官も持っている学生のためのコースでした。

大学院プログラムの名前は 'Chemical Biology' となっていますが、学際的なフォーカスというより、いまだうまく打ち解けないChemistryとBiologyが共存した構造になっています。そのため、化学専攻の学生がついてこれる、そして新たなものを得て帰れる内容にする必要がありました。

私は、分子生物学全般における進化的思考の重要さを 'homology' そして、'tree-thinking' という2つのキーワードで伝えるとともに、ゲノムアノテーションの実際と分子系統樹の実践的解釈法を講義しました。そして、遺伝子推定と軸としたゲノムアノテーションの実習を提供しました。

自分の担当分が、2日で計5時間。 他の2人の担当分も一部聴講し、準備も含めると、結構な時間をかけたことになります。

学部生の講義などの場合、よい講義をできれば、より多くの学生が自分の講義に興味を持ってくれて、結果的に、自分の研究チームに貢献してくれるかもしれない、という明確なモチベーションを持ってのぞむことが多いのです。対して、今回の博士学生対象の場合は、その面ではほとんど期待できませんでした。

しかし、今回の講義・実習では、講義内容の準備のための下調べ、学生の反応、そして何より、実習パートで学生が導き出したいくつかの新たな情報を総合して、自分が多くのものを得た気分に浸ることができました。こちらでの教育活動をはじめてからさすがに時間がたった分、全体の状況を把握しやすいし、いろいろな機会を前向きにとらえ、自分のものにしていくことができるようになってきたのだと思います。

これで、冬学期開始前の一大イベントが済んで、3週間後に冬学期がスタートです。そちらの講義からもいろいろ得られるように、いろいろアイデアを練っています。


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