Wednesday, December 7, 2011

国際生物学賞

 月曜まで一週間日本に行っておりました。国際生物学賞という特別な賞にともなうシンポジウムでの講演の機会をいただいたためです。今回の受賞者であるEric Davidson博士については、いろいろなサイトで紹介されているとおりです。

Eric Davidson博士の研究内容、そして今回のシンポジウムの内容を踏まえ、私の研究、というか私が今回発表した内容がどういう位置づけになるのか。

遺伝子セット自体は変わらないけど遺伝子の制御が変わることで発生プログラムが変化し、おもに動物のボディプランの多様性につながった、とする考えが主流で、Davidson博士の研究もそこから展開したわけです。

全ゲノムシーケンスが行われる以前は遺伝子セットの変化を正確に記述するという、実は基本的な部分については目をつぶって話を進めるしかなかった、したがって、制御が注目されたのはある意味、当然。

全ゲノム(実際には「完全」なものが得られるわけではないが)の情報が得られるようになった現在、これまでの考えではカバーできなかった遺伝子セットの変化をまず正確に記述することが重要です。そして、情報学によるリストづくりに固執することなく、表現型のちがいと結びつけることのできる生物学者の目に触れるところで成果を発表していくことを心がけています。

自分のルーツや今の立場を思い出させてくれる、そしてこれからを照らしてくれる予感のするいくつもの出会いがありました。この貴重な機会をつくってくださった方々に感謝しています。

さいごに、帰りの機内からの写真を一枚。




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